差押えの禁止及び制限

【超過差押えの禁止(法48①)】

 国税を徴収するために必要な財産以外の財産は、差し押さえることができない。

【無益な差押えの禁止(法48②)】

 差し押さえることができる財産の価額がその差押えに係る滞納処分費及び徴収すべき国税に先だつ他の国税、地方税その他の債権の金額の合計額をこえる見込みがないときは、その財産は、差し押さえることができない。

【一般の差押禁止財産(法75)】

 次に掲げる財産は、差し押さえることができない。(1) 滞納者及びその者と生計を一にする配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係にある者を含む。)その他の親族(以下「生計を一にする親族」という。)の生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用具、畳及び建具(2) 滞納者及びその者と生計を一にする親族の生活に必要な3月間の食料及び燃料(3) 主として自己の労力により農業を営む者の農業に欠くことができない器具、肥料、労役の用に供する家畜及びその飼料並びに次の収穫まで農業を続行するために欠くことができない種子その他これに類する農産物

(4) 主として自己の労力により漁業を営む者の水産物の採捕又は養殖に欠くことができない漁網その他の漁具、えさ及び稚魚その他これに類する水産物(5) 技術者、職人、労務者その他の主として自己の知的又は肉体的な労働により職業又は営業に従事する者(前二号に規定する者を除く。)のその業務に欠くことができない器具その他の物(商品を除く。)(6) 実印その他の印で職業又は生活に欠くことができないもの(7) 仏像、位牌その他礼拝又は祭祀に直接供するため欠くことができない物

(8) 滞納者に必要な系譜、日記及びこれに類する書類(9) 滞納者又はその親族が受けた勲章その他名誉の章票(10) 滞納者又はその者と生計を一にする親族の学習に必要な書籍及び器具(11) 発明又は著作に係るもので、まだ公表していないもの(12) 滞納者又はその者と生計を一にする親族に必要な義手、義足その他の身体の補足に供する物(13) 建物その他の工作物について、災害の防止又は保安のため法令の規定により設備しなければならない消防用の機械又は器具、避難器具その他の備品 ただし、上記(1)(畳及び建具に係る部分に限る。)及び(13)の規定は、これらの規定に規定する財産をその建物その他の工作物とともに差し押さえるときは、適用しない

【給料等の差押禁止(法76①)】

 給料等に係る債権については、次に掲げる金額の合計額に達するまでの部分の金額は、差し押さえることができない。(1) 所得税法の規定によりその給料等につき源泉徴収される所得税に相当する金額(2) 地方税法その他の規定によりその給料等につき特別徴収の方法によって徴収される道府県民税及び市町村民税に相当する金額(3) 健康保険法その他の法令の規定によりその給料等から控除される社会保険料に相当する金額(4) 滞納者については、1月につき100,000円、生計を一にする配偶者その他の親族については1人につき1月45,000円として計算した金額の合計額

(5) その給料等の金額から上記(1)~(4)に掲げる金額の合計額を控除した金額の100分の20に相当する金額((4)の金額の2倍を限度とする) 滞納者が、同一期間に2以上の給料等の支払を受けている場合には、上記(4)及び(5)については、その合計額につき、所定の方法により差押禁止額を計算する。

【賞与等の差押禁止(法76③)】

 賞与及びその性質を有する給与に係る債権については、その支払を受けるべき時における給料等とみなして、上記4.の規定を適用する。この場合において、4.(4)、(5)に掲げる金額に係る限度の計算については、その支給の基礎となった期間が1月であるものとみなす。

【退職手当等の差押禁止(法76④)】

 退職手当及びその性質を有する債権については、次に掲げる金額の合計額に達するまでの部分の金額は、差し押さえることができない。(1) 所得税法の規定によりその退職手当等につき源泉徴収される所得税に相当する金額(2) 地方税法その他の規定によりその退職手当等につき特別徴収の方法によって徴収される道府県民税及び市町村民税に相当する金額並びに健康保険法その他の法令の規定によりその退職手当等から控除される社会保険料に相当する金額(3) 滞納者については、1月につき100,000円、生計を一にする配偶者その他の親族については1人につき1月45,000円として計算した金額の合計額の3倍に相当する金額(4) 退職手当等の支給の基礎となった期間が5年を超える場合には、その超える年数1年につき、上記(3)の金額の100分の20に相当する金額。

【社会保険制度に基づく給付の差押禁止(法77)】

 社会保険制度に基づいて支給される退職年金、老齢年金、普通恩給、休業手当金及びこれらの性質を有する給付に係る債権は給料等と、退職一時金、一時恩給及びこれらの性質を有する給付に係る債権は退職手当等とそれぞれみなして、給与等及び退職手当等の差押えの禁止の規定を適用する。

【条件付差押禁止財産(法78)】

 次に掲げる財産は、滞納者がその国税の全額を徴収することができる財産で、換価が困難でなく、かつ、第三者の権利の目的となっていないものを提供したときは、その選択により、差押えをしないものとする。(1) 農業に必要な機械、器具、家畜類、飼料、種子その他の農産物、肥料、農地及び採草放牧地(2) 漁業に必要な漁網その他の漁具、えさ、稚魚その他の水産物及び漁船(3) 職業又は事業(上記(1)及び(2)に規定する事業を除く。)の継続に必要な機械、器具その他の備品及び原材料その他たな卸をすべき資産

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