差押えの意義、性質及び要件

皆さん、こんにちは!!

今回は、第3回講義「差押えの意義、性質及び要件」です (*^^*)

今回からいよいよ、「差押え」について学習します。

納税者が、国税を納期限までに納付しなかった場合には、徴収法に基づき、納税者の財産に対して「滞納処分」が行われますが、その滞納処分の第一段階として行われるのが「差押え」です。

まずは、その言葉の意義をみていきましょう。

差押えの意義(税大講本 p17 参照)

 滞納処分による差押えとは、滞納者の財産について、法律上又は事実上の処分を禁止し、それを換価できる状態に置く強制的な処分をいう。

ポイントになるのは、「処分を禁止」という点です。一般的に、差押えをされると、「財産を持っていかれた…もう終わりだ…(T_T)」というイメージがありますが、そうではありません。

あくまでも、差押えは、財産の「処分を禁止」する行為であり、滞納処分の「最初の手続」なのです。続けて見ていきます。

差押えの性質(税大講本 p17 参照)

 差押えは、滞納者の意思に関わりなく行われる強制処分である。
 なお、差押えによってその帰属を国に移転するものではない。したがって、差押え中に天災その他の不可抗力により差押財産が滅失したときは、その損害は滞納者が負担す
る。

とあり、差押えがされたからと言って、国に所有権が移る訳では無いのです。そのため、天災等で差押財産が滅失したとしても、国に損害賠償を請求することはできません。次に、差押えの要件です。

国税徴収法 第47条(差押えの要件)

 次の各号の一に該当するときは、徴収職員は、滞納者の国税につきその財産を差し押えなければならない。

一 滞納者が督促を受け、その督促に係る国税をその督促状を発した日から起算して十日を経過した日までに完納しないとき。

二 納税者が国税通則法第三十七条第一項各号(督促)に掲げる国税をその納期限(繰上請求がされた国税については、当該請求に係る期限)までに完納しないとき。

2 国税の納期限後前項第一号に規定する十日を経過した日までに、督促を受けた滞納者につき国税通則法第三十八条第一項各号(繰上請求)の一に該当する事実が生じたときは、徴収職員は、直ちにその財産を差し押えることができる。

3 第二次納税義務者又は保証人について第一項の規定を適用する場合には、同項中「督促状」とあるのは、「納付催告書」とする。

滞納者が、督促を受け、その督促に係る国税を、その督促状を発した日から起算して十日を経過した日までに完納しないときには、徴収職員は「財産を差押え”なければならない”」とされています。

大切なのは「差押え”なければならない”(強制)」ことであり、「差押え”ることができる”(任意)」とは明確に異なる点です。今後もこの表現は出てきますので、意識して覚えましょう。

では、この「督促」は、何日以内に行わなければいけないのでしょうか?これは、国税通則法第37条に書いてあります。

国税通則法 第37条(督促)※一部省略

第三十七条納税者がその国税を第三十五条(申告納税方式による国税の納付)又は前条第二項の納期限(予定納税に係る所得税については、所得税法第百四条第一項、第百七条第一項又は第百十五条(予定納税額の納付)(これらの規定を同法第百六十六条(非居住者に対する準用)において準用する場合を含む。)の納期限とし、延滞税及び利子税については、その計算の基礎となる国税のこれらの納期限とする。以下「納期限」という。)までに完納しない場合には、税務署長は、その国税が次に掲げる国税である場合を除き、その納税者に対し、督促状によりその納付を督促しなければならない。

一 次条第一項若しくは第三項又は国税徴収法第百五十九条(保全差押)の規定の適用を受けた国税二国税に関する法律の規定により一定の事実が生じた場合に直ちに徴収するものとされている国税

2 前項の督促状は、国税に関する法律に別段の定めがあるものを除き、その国税の納期限から五十日以内に発するものとする。

3 第一項の督促をする場合において、その督促に係る国税についての延滞税又は利子税があるときは、その延滞税又は利子税につき、あわせて督促しなければならない。

(1) 原 則(法47①-③、国通法37①②)

① 督 促 納税者がその国税を納期限までに完納しない場合には、税務署長は、原則としてその納税者に対し、督促状によりその納付を督促しなければならない。 督促状は国税に関する法律に別段の定めのある場合を除き、その国税の納期限から50日以内に発するものとする。

② 差押え 滞納者が督促を受け、その督促に係る国税をその督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに完納しないときは、徴収職員は、滞納者の国税につきその財産を差し押さえなければならない。 なお、第二次納税義務者又は保証人については、「督促状」を「納付催告書」として適用する。

(2) 例 外(繰上差押え)(法47②) 

 国税の納期限後督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに、督促を受けた滞納者につき、繰上請求に該当する事実が生じたときは、徴収職員は、直ちにその財産を差し押さえることができる。

【督促を要しない国税の場合】

(1) 繰上請求に係る国税(法47①、国通法38①) 

 納税者が繰上請求に係る国税をその請求に係る期限までに完納しないときは、徴収職員は、滞納者の国税につきその財産を差し押さえなければならない。

(2) 繰上保全差押えおよび保全差押えの規定の適用を受けた国税(法47①、国通法37①) 

 繰上保全差押え又は保全差押えの規定の適用を受けた国税を納税者がその納期限までに完納しないときは、徴収職員は、滞納者の国税につきその財産を差し押さえなければならない。

(3) 即時徴収するものとされている国税(法47①、国通法37①)

 国税に関する法律の規定により一定の事実が生じた場合に即時徴収するものとされている国税を納税者がその納期限までに完納しないときは、徴収職員は、滞納者の国税につきその財産を差し押さえなければならない。

【特殊な場合】

(1) 譲渡担保権者の物的納税責任(法24③) 

 譲渡担保権者に告知書を発した日から10日を経過した日までにその徴収しようとする金額が完納されていないときは、徴収職員は、譲渡担保権者を第二次納税義務者とみなして、その譲渡担保財産につき滞納処分を執行することができる。

(2) 担保の処分(国通法52①) 

 税務署長等は、次のいずれかに該当する場合には、担保として提供された金銭をその国税に充て、若しくはその提供された金銭以外の財産を滞納処分の例により処分してその国税及びその財産の処分費に充てることができる。

① 担保の提供されている国税がその納期限(繰上げに係る期限及び納税の猶予等に係る期限を含む。)までに完納されないとき。

② 担保の提供がされている国税についての納税の猶予等を取り消したとき。

今回は以上です!また次回お会いしましょう(^^)/

タイトルとURLをコピーしました