【第三者の権利の尊重(法49)】
徴収職員は、滞納者(譲渡担保権者を含む。)の財産を差し押さえるに当たっては、滞納処分の執行に支障がない限り、その財産につき第三者が有する権利を害さないように努めなければならない。
【差押えの制限(法58)】
(1) 差押えの制限 滞納者の動産又は有価証券で、その親族その他の特殊関係者以外の第三者が占有しているものは、その第三者が引渡を拒むときは、差し押さえることができない。(2) 引渡命令 上記(1)の場合において次のすべての要件に該当するときは、税務署長は、その第三者に対し、期限を指定して、その動産又は有価証券を徴収職員に引き渡すべきことを書面により命ずることができる。① 上記(1)の第三者が引渡を拒むこと。② 滞納者が他に換価が容易であり、かつ、その滞納国税の全額を徴収することができる財産を有しないと認められること。 この場合において、その命令をした税務署長は、その旨を滞納者に通知しなければならない。
(3) 引渡命令の期限(令24③) 上記(2)の引渡命令の期限は、その書面を発する日から起算して7日を経過した日以後の日としなければならない。ただし、第三者につき繰上請求に該当する事実が生じたときは、この期限を繰り上げることができる。(4) 引渡命令後の差押え 徴収職員は、次のいずれかの場合には、上記(1)にかかわらず、その動産又は有価証券を差し押さえることができる。① 上記(2)の引渡命令に係る動産又は有価証券が徴収職員に引き渡されたとき。② 引渡命令を受けた第三者が指定された期限までに徴収職員にその引渡をしないとき。
【引渡命令を受けた第三者の権利保護(法59)】
(1) 概 要 動産の引渡命令を受けた第三者が、滞納者との契約によるその動産の使用又は収益できる権利に基づいて占有している場合において、引渡によりその占有の目的を達することができなくなるときは、その第三者は、その占有の基礎となっている契約を解除するか、特定の期間、その動産を使用又は収益するかのいずれかを選択できる。
この規定は、動産の引渡を拒まなかった第三者について準用する。
(2) 契約解除を選択した場合① 契約解除の通知(令25①) 契約を解除した第三者は、その動産の差押えの時までに、所定の手続きに従って、税務署長に書面で通知しなければならない。② 損害賠償請求権への配当 その第三者は、契約解除に伴う損害賠償請求権について、その動産の売却代金の残余のうちから配当を受けることができる。③ 前払借賃への優先配当 引渡命令の時前にその後の期間分の借賃の前払いをしているときは、その第三者は、税務署長に対し、その前払借賃に相当する金額で差押えの日後の期間に係るもの(3月分を限度とする。)の配当を請求することができる。
(3) 使用又は収益を選択した場合① 使用又は収益の請求(令25①) 使用又は収益を選択した第三者は、その動産の差押えの時までに、所定の手続きに従って、税務署長に書面で請求しなければならない。② みなし使用又は収益の請求(令25②) (2)①の通知も(3)①の請求もないときは、使用又は収益の請求があったものとみなす。③ 使用又は収益の期間 使用又は収益の請求をした場合は、その動産の占有の基礎となっている契約の期間内(最長、動産を差し押さえた日から3月を限度とする。)は、その使用又は収益をすることができる。
