#2 財産の調査

皆さん、こんにちは!!

今回は、第2回講義「財産の調査」です (*^▽^*)

「滞納国税の徴収」と聞くと、真っ先に連想されるのが「差押え」ですよね。

そんな差押えをするためには、まずは、「滞納者の財産」を調査しなければなりません。

徴収職員が、財産の調査に行くことで、「なぜ、税金を滞納しているのか」、「払えないから滞納しているのか」、「本当は財産があるのではないのか」などなど、諸々の事情を把握することができます。それでは、条文を見ていきましょう。

国税徴収法 第141条(徴収職員の滞納処分に関する調査に係る質問検査権)

 徴収職員は、滞納処分のため滞納者の財産を調査する必要があるときは、その必要と認められる範囲内において、次に掲げる者に対し質問し、又はその者の財産に関する帳簿書類(電磁的記録を含む。)その他の物件を検査し、又は当該物件(その写しを含む。)の提示若しくは提出を求めることができる。

(1) 滞納者

(2) 滞納者の財産を占有する第三者及びこれを占有していると認めるに足りる相当の理由がある第三者

(3) 滞納者に対し債権若しくは債務があった、若しくはあると認めるに足りる相当の理由がある者、又は滞納者から財産を取得したと認めるに足りる相当の理由がある者

(4) 滞納者が株主又は出資者である法人

とされており、主に、”滞納者に関係のある人” に対して「質問及び検査」をしたり、当該物件の「提示若しくは提出」を求めることができる、ということですね。

具体的に、「関係のある人って誰なの??」ということを定めたのが、(1)〜(4)ということです。

また、「必要と認められる範囲内において」とあります。これは、調査は「やり過ぎないように」と、暗に示しているのだと思います。次に進みます。

国税徴収法 第141条の2(提出物件の留置き)

 徴収職員は、滞納処分に関する調査について必要があるときは、当該調査において提出された物件を留め置くことができる。

これは、令和6年度改正で、新たに追加された項目です。そもそも留め置きとは、どのような状態を指すのでしょうか。ここで、「国税徴収法 基本通達(税務職員として守るべき解釈及びルール)」を見てみましょう。

国税徴収法 基本通達 第141条の2関係 提出物件の留置き

(1) 法第141の2に規定する提出された物件の「留置き」とは、徴収職員が提出を受けた物件について国税局若しくは税務署又は税関の庁舎において占有する状態をいう。

ただし、提出される物件が、滞納処分に関する調査の過程で徴収職員に提出するために滞納者等が新たに作成した物件(提出するために新たに作成した写しを含む。)である場合は、当該物件の占有を継続することは法第141条の2に規定する「留置き」には当たらないことに留意する。

(注) 徴収職員は、留め置いた物件について、善良な管理者の注意をもって管理しなければならないことに留意する。

ということで、「庁舎において占有する状態」を留置きとしていることがわかりました。

 このように通達には、国税徴収法の条文で「これって何を指してるんだろう??」とわからないような内容に関して、その解釈が書かれています。

 そのため、条文の内容の理解ができない場合にみてみると「なるほど!!」と思う場面が多々あります。ぜひ、皆様も理解に役立ててみて下さい。それでは、次の条文です。

国税徴収法 第146条の2(事業者等への協力要請)

 徴収職員は、滞納処分に関する調査について必要があるときは、事業者(特別の法律により設立された法人を含む。)又は官公署に、当該調査に関し参考となるべき帳簿書類その他の物件の閲覧又は提供その他の協力を求めることができる。

とされていて、同じ公の機関である”市役所(官公署)”であったり、”事業者” に対してまで、協力の要請ができるということです。つまり、滞納者の「勤務先にまで」調査の協力の要請がくることもあるということですね。。恐ろしや。。((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル。次の条文です。

国税徴収法 第147条(身分証明書の提示等)

(1) 徴収職員は、質問、検査、提示若しくは提出の要求若しくは捜索をする場合又は事業者等への協力要請をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

(2) 質問、検査、提示若しくは提出の要求、物件の留置き又は捜索の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない

これは、一般的な内容ですね。当たり前と言えば、当たり前の話だと思います。

国税徴収法 第142条(捜索の権限及び方法)

(1) 捜索の権限

① 徴収職員は、滞納処分のため必要があるときは、滞納者の物又は住居その他の場所につき捜索することができる。

② 徴収職員は、滞納処分のため必要がある場合には、次のいずれかに該当するときに限り、第三者の物又は住居その他の場所につき捜索することができる。

イ.滞納者の財産を所持する第三者がその引渡をしないとき。

ロ.滞納者の親族その他の特殊関係者が滞納者の財産を所持すると認めるに足りる相当の理由がある場合において、その引渡をしないとき。

(2) 捜索の方法 

 徴収職員は、上記(1)の捜索に際し必要があるときは、滞納者若しくは第三者に戸若しくは金庫その他の容器の類を開かせ、又は自らこれらを開くため必要な処分をすることができる。

ということで、捜索に必要がある場合には、徴収職員が「自ら」ドアを開けて、金庫を開くための処分ができる、という非常に強力な権限を持っていることがわかりました。

国税徴収法 第143条(捜索の時間制限)

(1) 捜索は、日没後から日出前まではすることができない。ただし、日没前に着手した捜索は、日没後まで継続することができる。

(2) 旅館、飲食店その他夜間でも公衆が出入りすることができる場所については、滞納処分の執行のためやむを得ない必要があると認めるに足りる相当の理由があるときは、上記(1)にかかわらず、日没後でも、公開した時間内は、捜索することができる。 

これは、一般的に夜間の捜索はやめましょう、という内容ですね。

国税徴収法 第144条(捜索の立会人)

 徴収職員は、捜索をするときは、その捜索を受ける滞納者若しくは第三者又はその同居の親族若しくは使用人その他の従業者で相当のわきまえのあるものを立ち会わせなければならない。 

 この場合において、これらの者が不在であるとき、又は立会に応じないときは、成年に達した者二人以上又は地方 公共団体の職員若しくは警察官を立ち会わせなければならない。

これは、先程出てきたように、「捜索の権限」は非常に強力なので、公正を期すために、誰かを立ち会わせた上で捜索しましょう、ということですね。

国税徴収法 第145条(出入禁止)

 徴収職員は、捜索、差押え又は差押財産の搬出をする場合において、これらの処分の執行のため支障があると認められるときは、これらの処分をする間は、次に掲げる者を除き、その場所に出入りすることを禁止することができる。

(1) 滞納者

(2) 差押えに係る財産を保管する第三者及び捜索を受けた第三者

(3) 上記(1)又は(2)に掲げる者の同居の親族

(4) 滞納者の国税に関する申告、申請その他の事項につき滞納者を代理する権限を有する者

これは、捜索の妨げになるような人を排除する目的があるようです。加えて、「出入禁止」なので、捜索時に家にいた人は、「出る」こともできないというのがポイントです。財産を持ち出したりするのを防ぐためでしょうね。

国税徴収法 第146条(捜索調書の作成)

(1) 徴収職員は、捜索したときは、捜索調書を作成しなければならない。

(2) 徴収職員は、捜索調書を作成した場合には、その謄本を捜索を受けた滞納者又は第三者及びこれらの者以外の立会人があるときはその立会人に交付しなければならない。

(3) 上記(1)及び(2)は差押調書を作成する場合には適用しない。この場合においては、差押調書の謄本を上記(2)の第三者及び立会人に交付しなければならない。

最後に、「捜索調書」という報告書を作成・交付して終了です。

今回は以上です!

次回もお楽しみに(^O^)/

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